勤務先に糖尿病専門医が在籍しており、看護師として糖尿病の方と関わることが大変多いです。
- 糖尿病の基礎知識
- 病院でお話する内容
- 合併症予防に知っておくべきこと
間近で思いもよらない自体に困惑する患者さんを目の当たりにしてきました。
事前に知っていれば回避できた症例も多いです。
自覚症状に乏しいことが多く、糖尿病が進行し症状が出てから受診される方も少なくありません。
ぜひ知っていただきたい、困った時に確認していただきたい情報を記事にまとめています。
まずは病気を知って、ご自身に必要なことを確認しましょう。
治療中の方にも参考になる記事をまとめています!
糖尿病とは高血糖状態が慢性的に続くこと
① 糖尿病に治療が必要な理由
②1型と2型の違い
③糖尿病の症状と自覚症状
糖尿病は血糖値が高い状態が慢性的に続く病気です。
症状が出るまでに時間がかかることも多く、症状が出た頃には進行していることが多いです。
血糖コントロールが不良な状態が続いたり、急激に悪化するまで自覚症状はなかなか現れないためです。
口渇・多飲・多尿・倦怠感・脱力感・体重減少など
「今は自覚症状がないから」と放置していると、いつの間にか合併症を引き起こし、人生の質が低下するだけでなく、最悪の場合命に関わります。
血糖値の正常値
血糖値とは「血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度」のことです。
血糖値の正常値は、常に70〜110mg/dlです。
糖尿病がない方はインスリンが充分に分泌・作用するため、血糖値が基準値内に保たれています。
高血糖になる理由
①インスリンの分泌不足
②インスリンの分泌低下
③インスリンの作用不足
インスリン分泌不足は1型糖尿病の原因、インスリンの分泌低下と作用不足は2型糖尿病の原因です。
糖尿病の詳しい基礎知識はこちらの記事にまとめています。
自覚症状が起きる理由も解説しています!
1型と2型の違い
1型糖尿病と2型糖尿病の違いを簡単にまとめます。
- 膵β細胞が破壊
- インスリン分泌が消失
- 放置すると命に関わる
- インスリン分泌低下
- インスリン抵抗性
膵β細胞とは、膵臓にあるインスリンを出す細胞のことです。
この他に糖尿病以外の病気や治療薬の影響で血糖値が上昇し、糖尿病を発症することもあります。
1型糖尿病は糖尿病全体の約5%ほどで、若い方を中心に幅広い年齢で発症します。
病態に合わせた治療が行われます!
1型糖尿病とは
①1型糖尿病の成り立ち
②3つの分類と特徴
③1型糖尿病の食事と運動
1型糖尿病は生活習慣病ではありません。
2型糖尿病とは病態が全く異なり、放置すると命に関わります。
血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリンの分泌が不足する」ことで血糖値が高くなる病気です。
分類によって進行のスピードが異なります。
急性発症1型糖尿病・緩徐進行1型糖尿病・劇症1型糖尿病についてもこちらで解説しています。
2型糖尿病とは
①2型糖尿病のリスク因子
②糖尿病の3大合併症
③2型糖尿病の食事と運動
糖尿病は生活習慣病と言われていますが、それだけが原因ではありません。
高血糖が続くと合併症を引き起こし、失明・透析・足の切断に繋がってしまいます。
3大合併症とは、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害を指します。
高血糖状態の期間が長くなる程、合併症を起こす可能性も高まります。
こちらの記事に2型糖尿病と3大合併症の詳細まとめまています。
糖尿病の食事療法のヒント
①適正なエネルギー量
②栄養バランス
③規則正しく3食均等
糖尿病治療の要である食事療法ですが、まずはシンプルに考えましょう。
特別な食事が必要になるわけではありません。
まずはご自身に合ったエネルギー(カロリー)量を知ることが重要です。
3つのポイント
まずは適正なエネルギー量を確認しましょう。
簡易的な計算方法は下記のとおりです。
標準体重(kg)×身体活動量=1日のカロリー摂取量
標準体重は【身長(m)×身長(m)×22】で求めることができます。
こちらの記事では早見表も掲載しています。
詳細【糖尿病と食事】最も重要で基本な食事療法「難しい!」をシンプルに
栄養バランスは多くの品目をバランス良く摂ることが重要です。
- 炭水化物:摂取カロリーの50〜60%
- たんぱく質:標準体重1kgに1〜1.2g
- 脂質:摂取カロリーの20〜25%
糖尿病の患者さんは食事療法に悩んでいます。
良かれと思って健康食品やサプリメントに頼り、却って悪化してしまう方がいるのも事実です。
まずは基本を知り、シンプルに考えることが重要です。
食事制限に強い手作り弁当
①日本全国に発送
②年中日替わりのメニュー
③国産中心の素材使用で安心
④独自工場で手作りの食事
糖尿病の方に合いそうなカロリー制限食とバランス健康食を実際に注文し、レポートしました。
- 病院食より家庭の味に近い食事
- 薄味と感じる副菜が時々あった
- 制限食のイメージを払拭する献立
- 制限を全く感じない美味しい食事
- 塩分控えめでも食べごたえのある味
- 健康的で満足感のある献立
宅配弁当(宅食)で素材まで国産にこだわり、自社工場で手作りしている会社は少ないです。
メディミールであれば食事療法を守りながら、手間なく安全で美味しい食事が楽しめます。
夫と2人で食べた感想と、2つのお弁当の写真・栄養成分表示もまとめました。
冷凍とは思えないクオリティーで本当に驚きました!
糖尿病の可能性を指摘されたら
①事前に準備するもの
②問診と検査項目
③糖尿病専門医について
健診結果で糖尿病を指摘された方、糖尿病を疑う症状がある方へ。
今症状がない方も、糖尿病の疑いがあると気付いた時点で病院を受診しましょう。
放置すると命に関わることもあります。
事前に準備すること
健康診断に引っかかり、受診を薦められた場合は下記の物を準備します。
- 保険証
- 健診の結果
- 紹介状(ある場合)
- お薬手帳(ある場合)
普段服用されている薬がある場合、お薬手帳が必要です。
お薬手帳がない場合は服用している薬を持参するか、カメラで撮影するなどして下さい。
飲み合わせの確認に必要となります。
どの病院に行けばよいか悩む方は「内科」を受診しましょう!
糖尿病専門医の診察を希望する方は、以下の記事の専門医検索のリンクをご覧下さい。
Hba1cを最大1%下げる習慣
①糖尿病と歯周病の深い関係
②予防も糖尿病に良い影響
③自宅で出来る歯周病ケア
糖尿病の有無に関係なく、40歳以上の約8割が歯周病だと言われています。
更に糖尿病は全身に影響を及ぼす病気で、歯周病になりやすく重症化しやすいです。
適切な治療でHbA1cの改善が明らかになってきたと、厚生労働省の健康情報サイトでも紹介されています。
毎日のケアでHbA1cの改善が期待できるため、知っておいて損はありません。
歯周病予防に有効なケア用品は3つです。
- デンタルフロス
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
歯周病で血糖値が上がる理由と、おすすめの製品はこちらの記事で紹介しています。
低血糖症状と正しい対処法
①低血糖時の症状
②ブドウ糖とジュース
③おすすめの補食
④入手しやすい商品
低血糖時には正しい対処法が求められます。
低血糖を放置すると、意識障害や昏睡など重症化してしまう可能性があります。
適切な対応を行わないと症状が改善しないだけでなく最悪の場合、命に関わります。
低血糖とは
低血糖時の症状には個人差があります。
血糖値が70mg/dl以下の状態
高齢者は症状に気づきにくい傾向があるため注意が必要です。
ブドウ糖を摂取
低血糖時にはブドウ糖を10g摂取します。
もし次の食事までに1時間以上ある場合は、補食を摂りましょう。
低血糖の再発・重症化を防ぎます。
補食は1単位(80kcal)の食品を摂取します。
関連記事では、急な低血糖に対応するためコンビニ・スーパー・自動販売機で購入できる物も紹介しています。
商品別の摂取量も解説していますので、ぜひ参考にして下さい。
炭水化物に罪悪感がある方へ
①カロリー制限=米を減らすはNG
②主食を減らすと起きること
③お米を食べすぎてしまう方へ
血糖値が心配でお米を控えていませんか?
血糖値を気にして主食を控えていると、意外な落とし穴にはまってしまうことがあります。
- たんぱく質の過剰摂取
- 脂質の過剰摂取
- 摂取カロリーの増加など
患者さんでも「野菜を中心にしています。」と話す方は多いです。
しかしお話を伺っていると炭水化物を省いた結果、満腹感が得られず、おかずを多めに摂取されている傾向があります。
かえってHbA1cが上昇してしまうことも多いため注意が必要です。
糖尿病の食事制限に悩む方に知ってほしい、お米との付き合い方をまとめました。
足の切断を防ぐフットケア
①やけどの予防
②正しい爪の切り方
③乾燥予防と保湿
④いつでも靴下を履く
⑤適した靴を履く
高血糖値状態が続くと気付かぬうちに足の感覚が鈍くなります。
まずは傷を作らないことが大原則です。
- 神経障害:ケガなどに気づきにくい
- 血管障害:血流が悪く治りにくい
- 高血糖:感染症が起こりやすくなる
- 自律神経障害:皮膚の乾燥
小さな傷がきっかけになることも多く、決して大げさなことではありません。
傷が徐々に悪化すると最悪の場合、回復の見込みがなく足の切断を迫られます。
以下の記事では、誰でも簡単にできるケアを紹介しています。
- 爪切りの3つのポイント
- 足の洗い方
- 靴下の選び方
- とても重要な靴の選び方
病院で患者さんに説明している内容をまとめています!
ここまでお読みいただきありがとうございました!