①現在は院外処方が主流
②院外は種類・在庫が豊富
③院内は医療費負担が少なめ
病院によって、処方される場所が異なります。
過去院外・院内、どちらの病院でも働きました。
受け取る場所で負担額も異なります。
患者さんによっては院内処方の方が「移動がなくて楽」と話されます。
しかし、厚生労働省は医薬分業を推進しており、現在の医薬分業率は70%以上です。
国は院外処方を推奨していますが、実際にどんなメリットがあるんでしょうか?
今回は院外・院内処方をメリットとデメリットに分けて解説します。
院外処方とは調剤薬局が調剤すること
病院で処方箋を受け取り調剤薬局に提出・調剤を受けることをいいます。
- 種類と在庫が豊富
- 詳しい服薬指導
- かかりつけ薬局
- 薬歴が作成される
- 移動が必要
- 医療費がかかる
- 薬の調整は医師への確認が必要
これから院外処方のメリット・デメリットを簡単に解説します。
院外処方のメリット
- 薬の種類・在庫が豊富
- 詳しい服薬指導
- かかりつけ薬局
- 薬歴が作成される
院内処方に比べ薬の種類・在庫が豊富です。
そのためジェネリック医薬品を選択できることが多いです。
調剤薬局では、薬歴(薬の履歴)の記録・服薬指導が行われます
病院と調剤をわけることで、病院の待ち時間が短くなることにも繋がります。
かかりつけ薬局では薬や健康などの疑問を、体質や病歴などを考慮した上で相談できます。
かかりつけ薬剤師は、あなたが現在使用している処方薬や市販薬などの情報を把握し、薬の飲み残しや重複、副作用などがないか、1つの薬局で継続的にチェックします。また、患者さんの自宅に訪問して健康や薬の相談にのったり、薬局が開いていない時間帯もご相談いただける体制を整えています。
いつでも気軽に相談でき、信頼できる、地域に密着した薬局・薬剤師が「かかりつけ」です。
かかりつけ薬局は、薬局が開いていない時間帯も電話等で相談できることが大きなメリットです。
複数の医療機関から処方がある場合、かかりつけ薬局で調剤を受けることをおすすめします。
薬局側に薬歴がありますので、お薬手帳を忘れてしまっても飲み合わせ等が確認できます!
院外処方のデメリット
- 病院から薬局への移動
- 院内より医療費の負担が大きい
- 薬の調整は医師への確認が必須
薬局でも専用のカルテを作成しますので、受診した目的やアレルギーなどをお話する必要があります。
お金の面では国に認められた加算ですが、患者さんが負担する医療費は増えます。
医師から変更不可の指示がない場合ジェネリックに変更することが可能です。
患者さんに確認し希望された場合変更します。
薬剤師の判断で「医師に確認なく変更」されることになります!
医師が変更の判断をしていないことを知っておく必要がありますね。
院内処方とは受診先の病院が調剤すること
受診した病院でお薬を処方してもらうことを院内処方といいます。
- 移動が不要
- 会計が1回で済む
- 院外より負担額が少ない
- 種類や在庫が少ない
- 詳しい説明を受けにくい
- 他の病院で貰っている薬の確認が必要
これから院内処方のメリット・デメリットを簡単に解説します。
院内処方のメリット
- 移動の手間がない
- 会計が1度で済む
- 院外より医療費負担が少ない
院外処方に比べ点数・加算が少なく医療費負担が軽減されるともいえます。
院内で一括管理しますので、薬の日数調整・追加などを的確に行えるのもメリットです。
院内処方のデメリット
- 種類や在庫が限られている
- 詳しい説明を受けにくい
- 他医療機関の処方内容確認が必須
管理場所やスペースに制限があります。
院外処方に比べジェネリック医薬品の種類も少なくなります。
薬の種類・在庫の状況によっては取り寄せに時間がかかることがあります。
お薬手帳がない場合、他医療機関が処方した薬の確認が出来ません!
必ずお薬手帳を持参し、飲み合わせなどを確認して貰う必要があります。
院外処方と院内処方の違いとまとめ
国が医薬分業を推進するのには理由があります。
薬剤師が処方箋をチェックし、疑義照会(疑わしい点を確認する)することで過剰な処方を防ぐ目的です。
昔は薬を出せば出すほど、請求が出来る仕組みだったそうです。
現在は基本的に7種類以上は処方しにくい仕組みで、結果として院外処方の方が患者さんの負担が大きくなってしまったのが現実です。
病院と調剤薬局に行く時にはお薬手帳を持参しましょう。
条件を満たせば医療費が安くなります。
削減できる医療費についても解説していますので、併せてご覧下さい。
詳細【お薬手帳の必要性】医療費削減にも!災害時にも身を守るツールです
お薬手帳を持参しないまま通院回数が増えると、損する機会も増えます。
ちなみにお薬手帳は持っていない場合、無料で貰えますよ!
薬剤師は薬の専門家です。
困ったことは遠慮せず相談されてください。
それぞれの特徴を知った上で、1人1人に合った医療が受けられたら幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!