インフルエンザにも特徴的な症状があります。
インフルエンザ検査は、発症後12時間以内は陽性にならないと聞かれたことはありませんか?
実際には、12時間以内であっても陽性になる症例は意外と多いです。
早い時間でも陽性になる理由も説明します。
また、私がインフルエンザ検査を行う時、注意している点もお話します。
今回はインフルエンザの症状と、外出可能になるまでをまとめました。
①予防が最も大切
②潜伏期間を考慮
③意外と早い時間から検査可能
④出席や出勤は規則を守る
インフルエンザの症状とは
急激に症状が現れるのが特徴です。
典型的な例は以下の通りです。
・突然の高熱
・全身倦怠感(身体がだるい)
・頭痛
・関節痛
・筋肉痛
・鼻汁(鼻水)
・咽頭痛(喉の痛み)
・咳嗽など
1日〜2日の潜伏期間のあと、発熱・頭痛・関節痛などの全身症状が現れます。
その後は呼吸器症状として、咽頭痛や咳嗽などが現れることが多いです。
高齢者は症状が出にくいことがあります!
微熱・食欲低下・めまいなど、感冒(風邪)に似た症状しか現れないこともあるため注意が必要です。
多くの場合は高熱で、体力を消耗します。
発熱時の適切な対処方法は【熱が出たらどうする?】食事・水分・冷やし方などの対処法と注意点で、経口補水液のレシピや詳しいポイントを解説しています。
インフルエンザ検査
時期や流行の状況、インフルエンザ患者との接触があったかなどを考慮します。
インフルエンザの患者さんと接触した日にちや、ご家族がインフルエンザの場合いつ診断されたのかが分かれば、医師や看護師に伝えて下さい。
検査はいつからできる?
インフルエンザウイルスは発症後48時間以内にもっとも増殖すると言われています。
検査はウイルスの量によって判定が決まります。
体内で一定以上インフルエンザウイルスが増えていれば、陽性になるということです。
時間の経過とともに、ウイルス量は増加します。
あまりに早期だと陰性になりますが、6時間以内で検査が陽性になる場合もあります。
早期の検査で陰性になった場合、その後の経過次第では再検査を行います。
しかし体調不良時の再受診は大変です。
可能であれば12時間以上たってから検査された方がよいともいえます。
検査の内容
1例として勤務する病院で使用している検査キットについて説明します。
細くて長い綿棒を鼻に入れて検体を採取します。
奥の方まで入れるので、私はなるべく鼻詰まりの少ない方から綿棒を入れています。
鼻に綿棒が入るので気持ちが悪いですが、動いてしまうと出血などを起こし危険です。
小さなお子さんに検査をする時は、ご家族にも協力していただいています。
安全の確保のため、身体と頭をきちんと固定して検査を行います。
採用している検査キットによりますが判定時間は5分です。
陽性症例では90%以上が2分以内に判定が可能となっています。
インフルエンザの治療について
インフルエンザは風邪と同様に、基本的には自然治癒する病気です。
しかし、合併症の予防と感染の拡大を防止するため治療が行われます。
治療薬を発症後48時間以内に使用すると、症状が1日程度短くなることが多いです。
しかし、それ以降は使用しない場合と比べても、ほとんどメリットがないといわれています。
治療薬の種類
新薬以外は効果がほとんど変わらないと言われています。
治療薬には、内服薬・吸入薬・点滴があります。
内服薬と吸入薬は服用が1回のみの薬と朝夕2回を5日間の薬があります。
点滴は1回のみです。
気管支喘息がある患者さんは、吸入薬が喘息発作を誘発してしまう可能性があります。
問診や診察時に喘息があることを伝えて下さい。
点滴は重症の場合、他のお薬を使用できない方が対象です。
インフルエンザ薬の種類と子どもの異常行動の関係については、【タミフル・イナビル・ゾフルーザ】治療薬の詳細と子供の異常行動で詳しく解説しています。
患者さんの年齢や既往歴などを考慮して治療薬が選ばれます。
インフルエンザと登校・出勤
学校や幼稚園、保育園など集団生活の場は感染症が流行、拡大しやすい環境です。
学校保険安全法によって、出席停止や学級・学校閉鎖の処置がとられます。
学校
学校への登校については学校保健安全法によって出席停止期間が定められています。
発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日経過するまで
発症した日は発熱の症状が現れた日で、解熱した後2日は解熱した日の翌日2日間の事です。
例としては下記の流れになります。
①火曜日に解熱
②水曜日を1日目
木曜日を2日目とする
③金曜日より登校可能
幼稚園・保育園
年齢の幼い子どもにおいてインフルエンザウイルスの排泄が長期に続くという医学的な観点から日数が長くなっています。
・発熱した後5日を経過し、かつ、解熱した3日を経過するまで
発症した日は発熱の症状が現れた日で、解熱した後3日は解熱した日の翌日3日間の事です。
例としては下記の流れになります。
①火曜日に解熱
②水曜日を1日目
木曜日を2日目
金曜日を3日目とする
③土曜日より登園可能
会社・職場
社会人の出勤停止については、法律上の直接な規定がありません。
まず会社に報告し、相談することになります。
会社によって出勤停止の期間は違いますが、学校の出席停止を基本にしている会社も多いです。
1日の投与ですむ治療薬もありますが、すぐにインフルエンザが完治するわけではありません。
症状が軽減してもウイルスは排出されています。
感染を拡大しないことが大切です。
インフルエンザ発症後のまとめ
インフルエンザが流行しない年はありません。
予防と感染拡大を防ぐことが重要です。
学校保健安全法に定められた期間お休みすれば、基本的には問題ありません。
しかし、登校・出勤に対して治癒証明・登園許可書を求めることがあるようです。
園・学校・職場別の書類については、【インフルエンザ】治癒証明書と登園許可書は必要?厚生労働省の見解で、詳しく解説しています。
周囲の方がインフルエンザになった場合の対処法は、【インフルエンザ】なりたくない!予防法を説明しますで、感染予防のポイントを解説しています。
家族・友人・周囲の方につらい思いをさせないためにも、正しい知識を得ていただけたら幸いです。
私も普段からインフルエンザに感染しないよう努めています。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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