①カロリー制限=米を減らすはNG
②主食を減らすと起きること
③米を食べ過ぎる方へのアドバイス
糖尿病でもお米はもちろん食べられます!
血糖コントロールが目的で入院している患者さんでも、問題なく白米を食べています。
「入院中なのにしっかり白米が出てくる!」と驚かれる程です。
食事療法に困っている患者さんは「糖尿病になったら(必要以上に)ご飯を少なくしないといけない!」と考えている方が多いです。
中には炭水化物(糖質)を極限まで減らす方もいますが、反対に血糖値が上昇してしまうケースあります。
今回は、ご飯を減らすと起きやすい落とし穴も併せて解説します。
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ご飯の量を減らすという誤解
糖質+食物繊維=炭水化物
勤務先では診察の時に、医師が最近の食事療法の状況を聞きます。
大半の患者さんは「ご飯(炭水化物)は減らしてます。野菜を多めに摂るように気をつけています。」と話されます。
人によっては「食事はおかずだけで、ご飯は食べていません。」と話される方もいます。
確かに炭水化物を減らせば血糖値が上がりにくくなりますが、闇雲に炭水化物を減らすのは危険です。
炭水化物が不足するとどうなる?
炭水化物の最小単位であるブドウ糖は脳や神経系の唯一のエネルギーです。
ブドウ糖はタンパク質や脂質に比べ、素早くエネルギー源として使用されます。
ブドウ糖が不足すると脳や神経の働きに障害を起こし、日常生活にも支障をきたします。
- 疲れやすくなる
- イライラする
- 集中力の低下など
血糖値をコントロールすることは重要ですが、仕事や家事に影響がでるようではいけません。
以上のことから医師から特別な指示がない限り、極端な炭水化物制限は厳禁です。
炭水化物は過剰摂取も問題ですが、不足してもいけません!
白米は毎食ご茶碗1杯(約150g)が目安です!
炭水化物を控えると起きやすい落とし穴
炭水化物を極端に制限すると満腹感を感じにくく、おかずの量が多くなります。
- タンパク質の過剰摂取
- 脂質の過剰摂取
- 摂取カロリーの増加など
お米を控えている安心感から食べすぎてしまい、結果的にHbA1cが急上昇することも珍しくありません。
食事のバランスが極端に偏ると、糖尿病以外の病気を引き起こすリスクも上がります。
ここで炭水化物・タンパク質・脂質の1gあたりのカロリーを確認してみましょう。
炭水化物 | タンパク質 | 脂質 |
4kcal | 4kcal | 9kcal |
タンパク質は炭水化物と同じカロリーですが、脂質は2倍以上高カロリーです。
少しおかずの量が増えただけに見えてみても、予想以上にカロリーを摂取してしまいます。
お米を減らしても野菜を増やしても、調理に使用する油や各食材に含まれる糖質が結果的に増えるためカロリーオーバーになることも少なくありません。
患者さんのHbA1cが急上昇した時は食事内容をしっかり確認します。
原因としては①主食の食べすぎ②おかずの食べすぎ③間食の摂取(果物も含める)が多いです!
食事療法を簡単におさらい
糖尿病の食事療法の3大原則です。
①適切なエネルギー量(カロリー)
②栄養バランスのよい食事
③規則正しく3食均等な食事
インパクトがある流行のダイエットが長くは続かず、いずれ消えてしまうように残念ながら糖尿病の食事療法も抜け道はありません。
しかし血糖値を上げにくくするコツはあります。
食物繊維を効果的に摂取することです。
食物繊維は糖質や脂質の吸収を抑制し、食後血糖のコントロール改善に有効といわれています。
更に食物繊維はコレステロールの吸収を抑制し、排出を促進する作用もあるため血液中の脂質レベルも低下させます。
食品 | 可食部100gあたりの食物繊維 |
白米 | 0.6g |
ごぼう | 5.7g |
キャベツ | 1.8g |
本しめじ | 3.3g |
わかめ | 32.7g |
1日の目標摂取量は20〜25gといわれています。
血糖コントロールに良い影響を与える食物繊維ですが、1つだけ注意点があります。
食物繊維に関しても、1つの食材で目標摂取量を満たすのは危険です。
表の中でわかめが最も食物繊維が豊富ですが、わかめの過剰摂取は海藻に多く含まれるヨウ素を過剰摂取してしまいます。
複数の食品からバランスよく食物繊維を摂ることが、過剰摂取による病気を引き寄せないポイントです。
海藻類に限らず食品であっても過剰摂取すると、健康を害することがありますので要注意です。
多くの食品からバランスよく栄養を摂取することが重要です。
糖尿病に大切な食事療法についてはこちらの記事もよく読まれています。
次は白米が大好きな方へ向けたアドバイスです!
どうしてもご飯が我慢できない方へ
白米が大好きで食べすぎてしまう方は、おかずを減らして帳尻合わせをしているケースもあります。
しかしほとんどの方は結果が伴わず、血糖コントロールが乱れる最大の原因の1つとなっています。
今の生活を守るためにも、早い段階で主食との付き合い方を見直さなくてはいけません。
反対に突然の高血糖をきっかけに、雑穀米や玄米を利用する方もいます。
雑穀米や玄米は食物繊維が豊富に含まれているため、おすすめの食品です。
一方で「食事は毎日のことだし、美味しくなくて続けられなかった…。」と話す方も多いです。
特に食べることが大好きな方は、食事療法が何よりも大きなストレスになっています…。
お米を食べたい気持ちに答える
以下に該当する方は治療に差し支えない範囲で、無理をしすぎない食事療法が重要となってきます。
- 白米が大好き
- でも血糖値は下げたい
- 毎日の食事管理が難しい
お米好きな方には米粉から生まれた、お米の代用品がおすすめです。
100gあたり | 白米 | TRICE |
カロリー | 168kcal | 100.8kcal |
糖質 | 36.8g | 0.3g |
食物繊維 | 8.13g | 29.7g |
米粉を原料にした低糖質米はTRICE(トライス)だけです。
トライスは研がずにそのまま水と一緒に入れて、炊飯器で普段通りに炊くだけで食べられます。
特に糖質制限をしている方に人気があり、体重管理をしている方にもおすすめです。
- 粘り気が少ない
- 1食あたりが高い
- 味付けした方が食べやすい
- 洗わずに食べられる
- 糖質が抑えられる
- 食物繊維が豊富
ブロッコリーやカリフラワーを使用した製品と違い、白米に近い食感と味です。
糖尿病には血糖コントロールが不可欠です。
食事療法が思うようにいかず、悩み苦しんでいる患者さんをたくさん見てきました。
血糖コントロールが良好になれば、結果に一喜一憂することもなくなります。
お米好きの皆さんのお口にも合う低糖質米か、ぜひ1度試し下さい。
- コンニャク不使用
- 糖質カット率トップクラス!
- 食べるのが我慢出来ない方に大人気
ここまでお読みいただきありがとうございました!