①治癒過程を簡単に解説
②傷を目立たせたくない人に
③手術後におすすめのテープを紹介
傷あとが悪化しないか心配な方、出来る限りきれいに治したい方へ!
傷あと用のテープは種類に関係なく、最低でも3か月間は貼る必要があります。
抜糸がある場合も抜糸前だけでなく、抜糸後も継続するよう推奨されています。
傷あとを目立たせないことが目的であれば、もっと時間が必要です。
私は20代の頃に腹腔鏡手術を受けた経験があります。
詳細【卵巣嚢腫のまとめ】腹腔鏡手術を経験│発見から日常生活に戻る迄
お腹の傷の場合、お腹の筋肉や運動などで皮膚が激しく引っ張られることを避けなければいけません。
腹腔鏡手術は傷が小さいですが、しばらくテープを使用したセルフケアを行いました。
- 抜糸後は一時的に傷が赤くなった
- その後数ヶ月間は変化なし
- 1年後には肌色に戻った
現在は家族にも「言われないと分からない」と言われる程目立たなくなりました。
今回はまず始めに、傷が完全に治るまで(治癒過程)を簡単に解説します。
テープをいつまで貼ればよいのか悩んでいる方も、ぜひ参考にして下さい。
3つの治癒過程の時期(目安となる日数)も解説します!
後ほどおすすめのテープを特徴別に紹介、解説します!
傷の治癒過程には3つの段階がある
①炎症期
②増殖期
③成熟期
1週間程で傷口が補強されるため、抜糸は1週間が経過して行われることが多いです。
傷は通常の場合、一時的に赤くなっても徐々に赤みが引いていきます。
一時的に色素沈着が起こりますが、徐々に肌の色に近い目立たない傷あとになります。
まずは、傷の治癒過程を箇条書きで簡単に解説します!
治癒過程を知っているとケアの重要性が分かります!
炎症期
傷口が閉じて治っているようにも見えますが、皮膚の下で炎症が続いている状態です。
- 術後3日まで
- この時期に傷口は閉じる
- しかし炎症は続いている
傷を濡らすことに不安を感じる方もいますが、医師の許可があれば問題ありません。
しっかり根拠もありますので安心して下さいね。
縫合後のシャワーの注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています!
関連【手術】縫合後のシャワーについて|不安を解消する根拠【抜糸前】
増殖期
傷が赤い肉芽に覆われるため、一時的に傷あとが赤くなる時期です。
- 術後3日〜3週間まで
- 傷は赤い肉芽で覆われていく
- 一時的に傷が赤くなる
一時的な赤みは必ず起きますので、前もって知っておくと慌てずにすみます。
きちんとケアしていれば、順調に良くなっている証拠でもありますので、安心して下さいね。
赤みは一時的なもので、ゆっくり時間をかけて落ち着いてきます!
成熟期
成熟期が最終段階です。
じっくり時間をかけて炎症が消えていきます。
- 術後3週間〜1年まで
- 3か月〜1年で炎症が消失
- 次第に肌の色に近い傷跡になる
私は腹腔鏡手術を受けた1年後には、肌色に近い色になりました。
炎症が消失するまでの日数は、部位やケアの状況によって異なります。
もしもケアが不十分だった場合、炎症が収まるまで、さらに時間がかかります。
この状態が続くと、目立つ傷あとになる確率が高くなってしまいます。
炎症を長引かせないためには、刺激を避けることが重要です!
次は傷あとが悪化する原因を解説します!
刺激が加わると傷あとが悪化する
傷が治る過程で刺激が加わると、炎症が収まるのに時間が掛かってしまいます。
するとケロイドや肥厚性瘢痕などの目立つ傷あとになる可能性も高くなります。
どちらも傷が赤く、多くの場合盛り上がっているのが特徴です。
①体質
②物理的刺激
体質はケロイド体質などを指します。
ケロイドは痛みやかゆみを伴うことが多く、今後拡大する可能性も高いため早期治療が必要です。
肥厚性瘢痕は、何らかの異常(物理的刺激など)で傷の治りが遅くなることが原因です。
次は物理的刺激を予防するコツを解説します!
手術後の傷のセルフケアとは物理的刺激を防ぐこと
体質はセルフケアでの予防は難しいですが、物理的刺激はセルフケアで防ぐことが可能です。
物理的刺激とは以下のことを指します。
- 摩擦刺激
- 伸展刺激
- テープを剥がす際の刺激
伸展とは、伸び広がることです。
この3点を予防するために、継続したセルフケアが重要となっています。
テープは半年以上の使用を推奨
腹部・胸部・関節は半年〜1年間の継続使用が推奨されています。
伸展が大きい部位は傷あとが安定するまでに、半年〜1年かかるとされているためです。
伸展が少ない部位の場合、最低3か月間はセルフケアを続けることが大切です。
毎日のケアが悪化を防ぎます!
手術後のテープのはがし方
①皮膚が伸びないように抑える
②傷の向きにそって
③ゆっくり優しく剥がす
物理的刺激を避けるため丁寧に剥がします。
体を洗う前にテープを濡らし、粘着剤をふやかすと剥がしやすく、刺激も少ないです。
こちらの記事で、テープの正しい貼り方と剥がし方を画像つきで詳しく解説しています。
詳細【マイクロポア】テープの剥がし方と貼り方│貼り替えのコツを解説
おすすめ5選をランキング形式で紹介!
5つのテープを紹介しますが簡単に選べるよう、おすすめ度ランキングを作成しました。
肌が弱い方には記事の最後に紹介している、皮膚保護剤の併用をおすすめします。
製品名のリンクを選択すると、ページ内の解説へ移動します!
3M マイクロポア サージカルテープ
マイクロポアは汎用性が高く、医療機関でもよく使用されているテープです。
マイクロポアの特徴をまとめます。
- 防水性はない
- 馴染みやすい色で目立ちにくい
- 不織布で通気性に優れている
- 粘着剤がアクリル系で肌に優しい
交換の目安は2〜3日に1回です。
アクリル系粘着剤は肌に優しく、従来のテープに比べまけにくいです。
貼り方
①3cm程にカットする
②傷を寄せる
③傷に対して垂直に貼る
④テープの端を重ねながら貼っていく
マイクロポアサージカルテープのデメリットは防水性がないことです。
テープを毎日交換したり頻回にはがすと、皮膚表面が剥がれ、皮膚トラブルに繋がります。
フィルムドレッシングという、防水性と透湿性が高い医療用テープを使用するのも手です。
フィルムドレッシングは、高齢者の脆弱な皮膚にも使用できます。
身近な物に例えるとラップが近いですが、ラップより極薄で柔らかく、しなやかにフィットします。
- 防水テープとして
- 摩擦から皮膚を保護
- ガーゼやパッドの固定など
以下の記事で、剥がれを防ぐ正しい使い方を図解付きで解説しています。
詳細【手術】縫合後のシャワーについて|不安を解消する根拠【抜糸前】
効果的な使い方を紹介していますので、併せてご覧下さい!
3M シリコーンテープ
マイクロポアでかぶれる方は、さらに肌に優しいシリコン製のテープがおすすめです。
シリコーンテープの特徴をまとめます。
- アクリル系より肌に優しい
- 通気性が良い
- 防水性がある
- 粘着力はソフト
シリコン系粘着剤はアクリル系以上に粘着力が弱く、その分肌に優しい素材です。
シリコンテープには防水性と通気性があります。
マイクロポアに比べ、濡れた時に剥がれる心配も少ないこともメリットです。
貼り方
①3cm程にカットする
②傷を寄せる
③傷に対して垂直に貼る
④テープの端を重ねながら貼っていく
使用方法はサージカルテープと同様です。
貼り方の図解、肌に負担をかけないテープの剥がし方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
詳細【マイクロポア】テープの剥がし方と貼り方│貼り替えのコツを解説
skinix アトレスケア
アトレスケアは伸縮性があります。
アトレスケアの特徴をまとめます。
- 薄くて剥がれにくい
- 通気性に優れている
- 貼るだけで傷を寄せる
- 伸縮性がありつっぱらない
- 形成外科で採用されている
テープ自体が傷を寄せる構造になっています。
交換頻度は2〜3日に1回、交換のペースが3日に1回の場合は約1か月持ちます。
貼り方
①剥離紙を途中まで剥がす
②ゆっくり左右に引っ張る
③そのまま傷跡へ貼る
④テープが縮んだら端まで貼る
⑤表面フィルムを剥がし馴染ませる
自分で皮膚を寄せながら1枚ずつ貼るサージカルテープと比較すると、とても手軽です。
傷あとの固定と、テープを貼っていないようなゼロ感覚の両立を実現しています。
アトレスケアは高い技術が採用されているテープですが、残念ながらサイズが限られています。
5cm以上の傷あとには、アトファインかレディケアがおすすめです。
アトファインもレディケアも、15cmまでの傷あとに対応しています。
私は次使用する機会があれば、アトレスケアを購入します!
ギネマム ledycare(レディケア)
帝王切開の傷あとに着目した製品です。
⬇こちらの動画には音声がありません。
レディケアの特徴をまとめます。
- シリコンゲルシート
- 肌を保護する厚み
- 保湿力がある
- 繰り返し使用出来る
- 産婦人科医推奨の製品
シリコンゲルシートは皮膚をしっかり保護する厚みがあり、保湿力もあります。
貼り方
レディケアは傷あとの数に合わせて、2枚1セットで交互に使用します。
①専用ヘラで少し持ち上げる
②手で優しく専用容器から取り出す
③傷を覆うように貼りつける
交換時期がきたら、ボディーソープや石けんで洗浄後、専用容器に置いて自然乾燥させます。
ティッシュなどで拭くと、引っ付いてしまいますので注意して下さい。
順次新パッケージに変わっていますが、内容自体に変更はありません。
元々帝王切開の傷のケアを目的に作られたテープです。
ニチバン アトファイン
絆創膏で有名なニチバンの製品です。
アトファインの特徴をまとめます。
- 縦横に伸びにくい素材
- 防水性と通気性が高い
- 角がなく剥がれにくい
- 貼る時に寄せる必要がない
伸びない素材を使用することで、皮膚の伸展を抑えることが大きな特徴です。
交換頻度は5~7日間に1回が目安です。
貼り方
①剥離紙を途中まで剥がす
②テープ中央に傷あとを合わせる
③テープを伸ばさずに貼る
④剥離紙を剥がして馴染ませる
アトファインは交換までの日数が最も長いため、交換の手間を省きたい方にもおすすめです。
最後にテープかぶれを防ぐ、高保湿な肌保護剤を紹介します。
テープによる色素沈着予防にも効果的です!
テープかぶれと色素沈着を防ぐ
テープ使用による色素沈着は、テープの粘着剤(かぶれ)が原因の1つと言われています。
テープでかぶれやすい方には、肌を保護・保湿しながら貼れる肌保護材がおすすめです。
ピュアバリアは定期的にテープを使用する、透析の患者さんにも使用する肌保護材です。
頻繁にテーピングを行うスポーツ選手にも「皮膜のおかげでかぶれなくなった!」と人気です。
- 皮膜を形成し皮膚を守る
- 肌に優しい弱酸性
- 無香料・無着色
- パラベン不使用
- 高い保湿効果
ぜひ剥がれにくいのに、やさしく剥がれるピュアバリアも試してみて下さい。
詳細【テープ】まけ・かぶれ対策│皮膚トラブルから肌を守る製品を解説
皮膚トラブルが続く場合は、医療機関にご相談下さいね!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
次に読まれている記事はこちら
【VIOシェーバー】チクチクしない│パナソニックのフェリエを購入!