①感染性胃腸炎の種類
②ノロとロタの症状
③脱水を予防するポイント
④家庭での2次感染予防
⑤使用別の消毒液の作り方
感染性胃腸炎とは
細菌・ウイルス・寄生虫による感染症です。
- 細菌性:病原性大腸炎やサルモネラなど
- ウイルス:ノロやロタなど
- 寄生虫:クリプトスポリジウムなど
一般的に夏季には細菌性が、冬から春にかけてはウイルス性のものが多く発生します。
ロタは例年3月〜5月に、ノロは年中発生していますが、例年12月〜1月にかけて流行します。
私も3回急性胃腸炎になりました。嘔吐・下痢・高熱がつらかったです。
ウイルス性胃腸炎の感染経路と原因
感染経路はほとんどが経口感染で、感染の流れが様々あります。
- 手に付着したウイルスが体内に入る
- 汚物が乾燥してそれを吸い込む
- ウイルスに汚染された食品の摂取など
ノロウイルスは二枚貝による感染がよく知られていますが、生や加熱不足のものでなければ食べても問題ありません。
潜伏期間
ノロウイルスとロタウイルスは、潜伏期間と便中に排泄される期間が異なりなます。
1〜2日程度です。
ウイルスが1週間程度便と共に排泄されます。
2〜4日程度です。
10日間程度ウイルスが排泄されます。
症状の違い
血便がある場合、細菌性の感染性胃腸炎の可能性が高いです。
細菌によっては死に至るものもあります。
感染性胃腸炎はノロ・ロタ以外にも【細菌の種類別】特徴・治療・予防
ノロウイルス
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛など
発熱は軽度であることが多いです。
症状が1日〜2日続き、予後は良好です。
発症しても風邪の様な症状ですむ人もいます。
ロタウイルス
- 発熱
- 吐き気
- 嘔吐
- 米のとぎ汁様の下痢
- 腹痛など
初めての感染時は特に強い症状がでます。
通常2日〜7日程で症状が治まります。
まれではありますが合併症として、痙攣や脳症などがあります。
大人はロタに過去何度か感染しており、ほとんどの場合で症状が出ないのも特徴です。
水分摂取について
ノロ・ロタどちらの場合も、脱水状態予防のため水分摂取にはご注意下さい。
経口補水液は電解質濃度が高く、吸収されやすくおすすめです。
感染性胃腸炎は発熱を伴うこともあり、体力を消耗しやすいです。
診断と治療
通常は問診・症状から総合的に判断されます。
迅速診断検査は、医師が医学的に必要と認めた場合のみ行われます。
陽性でも治療内容は変わらないため、検査されないことが多いです。
結果は15〜20分程で出ますが、ウイルスに感染していても陽性にならない場合もあります。
ノロの場合は集団感染の原因究明のために、行政機関で詳しい検査が行われることもあります。
ウイルス性胃腸炎の治療
ノロやロタなどのウイルス性には、効果のある抗ウイルス剤がありません。
残念ながら症状に応じた対症療法となります。
・吐き気止めと整腸剤の処方が基本
・下痢止めはなるべく使用しない
・抗ウイルス剤や抗生物質はなし
脱水を防ぐことと、体力の消耗を少なくするための治療が行われます。
症状が強い時には飲水でも嘔吐を誘発する場合があり、吐き気止めが処方されます。
嘔吐が続き脱水状態が進んでいる場合には点滴を行うこともあります。
ウイルスは便中にもいます。
病気の回復を遅らせることがあるので、下痢止めは基本的に使用しません。
下痢が頻回で安静が保てないなどの場合、必要最小限で使用することもあります。
家庭に感染者がいる時
①手洗いをしっかり行う
②嘔吐物・便は適切に処理
③調理・食事で使用した物も消毒
④トイレの蓋を閉める
ノロでもロタでも感染対策は同様です。
感染の拡大を防ぐポイントを説明します。
手洗い
タオルは共用しないようにします。
ペーパータオルの使用がおすすめです。
タオルを使用する場合は個別に分けて下さい。
嘔吐物・便の処理と注意点
嘔吐物や便を処理する時はマスク・エプロン・使い捨ての手袋を使用して下さい。
処理前後は窓を明け、換気扇も使用します。
次亜塩素酸ナトリウムが含まれる「塩素系漂白剤」を使用します!
ハイター(次亜塩素酸ナトリウム濃度5%)を使用した作り方です。
※0.02%に希釈します。
水2L+ハイター10ml
※0.1%に希釈します。
水500ml+ハイター10ml
※使用上の注意をよく確認して下さい。
※色落ち・金属を腐食を防ぐため消毒後、しっかりと水拭きしてください。
洗濯と消毒のポイント
嘔吐物や便や付着した衣類は、5〜10分浸け置き後に他のものとわけて洗濯します。
トイレ・ドアノブ・手すりなど、病原体が付着している可能性が高い環境も消毒を行います。
調理器具やスポンジ等は熱湯消毒(85℃以上で1分以上)または0.02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
便中のウイルスが飛散するのを防ぎます。
食事は生ものを避け、十分加熱された安全性の高い食品をとって下さいね。
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ウイルス性胃腸炎のまとめ
ロタウイルスは感染力がとても強いです。
世界中の5歳までのほぼ全ての子どもが感染するといわれています。
小さなお子さんは重症化しやすく、合併症にも注意が必要です。
ノロウイルスも、一度発生すると周囲で集団感染を起こしやすいです。
発生してしまった場合は、適切な対応で2次感染を防ぎましょう。
お子さんや高齢者は脱水になりやすいです。
十分な水分摂取を行うよう気をつけて下さい
ここまでお読みいただきありがとうございました!