①検査に影響しにくい服装
②ブラトップは避ける
③おすすめの服装と下着
私は特定健診・企業健診・検診を積極的に行っている病院で働いています。
看護師歴10年以上の経験をもとに、健診時の注意点とおすすめの服装をまとめました。
たかが服装と思われるかもしれませんが、服を選ぶだけで3つのメリットがあります。
- 待ち時間の短縮
- 手間がかからない
- 正確な結果を得られる
検査のやり直しがなくなり、滞在時間もしっかり短縮できますので、ぜひ参考にして下さい。
まずは検査を受ける時に避けたい服装を解説します!
後ほど医療機関側も助かる、検査におすすめの服装を解説しますね!
健診時おすすめしない服装
まずは知っておきたい、避けるべき洋服のポイントは以下の通りです。
- 袖口や襟元が狭い
- 全体的に細身(タイト)
- 上下が繋がっている
- 服飾物(ボタン等)
これらを踏まえて具体的な例と理由を解説します!
ワンピース・つなぎ
- 胸元が開けづらい
- 特に心電図や聴診時に困る
- 検査着への着替えがほぼ必須
心電図や聴診時には胸元を開けます。
これは検査や聴診を正確に行うためです。
ワンピースは裾をたくし上げるわけにもいかず、検査着に着替えていただくことが多いです。
何らかの理由で検査着に着替えられない場合、下着のみの状態になりますので要注意です。
肌の露出を最小限に抑えるためでもあります!
ストッキング・タイツ
- 薄手でも基本的にNG
- 特に心電図時に適さない
- 足首に電極とクリームをつける
手首と足首につける電極はクリップ式やバンド式で、肌に直接つける必要があります。
前提として心電図検査は、体をリラックスさせることで正しい計測が可能になります。
つまり検査結果への影響を避けるため、薄手だとしても必ず脱ぐ必要があるということです。
最悪の場合、一旦下半身丸出しで検査を受けることになります…
着脱で破れる心配もありますので、靴下の方がおすすめです!
ブラトップなどのカップ付の下着や洋服
ホックやボタンだけでなく、ブラトップなどのカップ付きブラも適しません。
- レントゲン撮影と聴診を妨げる
- 厚みがあるパッドが邪魔になる
- 着脱が必須
特にブラトップを着用して来られる方が多いですが、ブラトップもパッドが写る可能性があります。
また心電図を受ける時にも、胸部をしっかり露出する必要があります。
そのまま上にあげると首周りにパッドがきて、検査の邪魔になってしまいます。
心電図検査時には、肩を外し下腹部までずらすか脱ぐ必要があります。
聴診時にパッドが邪魔になり、困っている医師も多いです。
健診中は下着を脱ぐ前提であれば、問題ないです!
矯正下着・着圧ソックス
時々来てこられる方がいます。
矯正下着は着脱に時間がかかりますので、避けていただけると大変助かります。
首元が詰まっている服
- 聴診時に適さない
- タートルネック
- ハイネックなど
首元が詰まった服は聴診器を入れるスペースがありません。
トップスの裾から胸元まで、手を入れて聴診することになります。
医師も不用意に体に触れないように注意していますが、避けたほうが無難です。
他の検査との兼ね合いで、検査着に着替えていただくこともあります。
スキニーなどタイトなボトムス
検査結果によっては、診察時に足のむくみ等をみる場合があります。
ふくらはぎを簡単に出せないパンツは避けましょう。
洋服をまくり上げる場合はベルト
ズボンにシャツを入れている方に多いです。
ほとんどの方が聴診する直前にベルトを緩めますが、焦ってなかなか外れません。
リラックスして検査を受けるためにも、ベルトが不要な服をおすすめします。
個人的に穴なしベルトは介助しにくく、とても困ります…
締めすぎて外れない方もいます!
Yシャツのボタンなど装飾付きトップス
- レントゲン撮影に適さない
- ボタン付きシャツ
- スパンコールの付いたブラウス
- ビーズの付いたニットなど
気を付けている方でも、プラスチックのアジャスターは見落としていることが多いです。
やはりレントゲン写真に写ってしまうため、脱いでいただいています。
細身な服と厚手の服
- 血圧測定と採血時に適さない
- 圧迫によって血圧の値に影響
- 厚手の服は血圧計が正しく巻けない
細身の服は袖を二の腕まで上げた時に腕を圧迫し、正しい結果が得られません。
ベストなのは肌の上から直接測ることです。
洋服が厚くなるほど、測定値は本来の数値より高くなります!
正しく測定できない時は、袖だけ脱いで測定しています!
余談ですが、病院や健診で「血圧が高めです」と言われたら、定期的な血圧測定が重要です。
血圧を知ることは現在の健康状態を知り、健康寿命を伸ばすことにも繋がります。
医師が患者さんに伝えている血圧計の選び方は、以下の記事をご覧下さい。
詳細【血圧計の選び方】手首式をすすめない本当の理由とオススメの血圧計
健診時におすすめの服装
上下の分かれた、全体的にゆとりのある服装がベストです。
心も体も緊張していると、検査結果に悪影響を及ぼし、検査をやり直すことも少なくありません。
無理せず、出来る範囲でゆったりした状態を作ることが重要となります。
健診時におすすめの下着
ゴムと布だけのブラが最適です。
- 飾りやパッドなし
- 生地に厚みがない
- 金具やプラスチック不使用
上記の条件を満たすブラが、ワコールのナイトアップブラです。
ワコールのナイトアップブラは、パッドがなく薄手でそのままレントゲン撮影も可能です。
私も職員健診の時にはナイトアップブラを着用していますが、写り込む心配がありません。
ブラを外す必要がないと、とても安心してレントゲン撮影を受けられます。
育乳効果があるナイトブラが欲しいから、ナイトアップブラは微妙…
このように考えている方もいるかもしれませんが、残念ながらナイトブラには育乳効果はありません。
「ナイトブラで胸が大きくなる」が嘘である理由は、以下の記事をご覧下さい。
詳細【レントゲン撮影】ブラトップで大丈夫?ナイトブラがおすすめな理由
健診時のトップス
- 無地
- ゆとりがあるサイズ感
- 薄手のニットやカットソー
無地であまり厚みのない洋服にしましょう。
胸元と袖にゆとりがある洋服がおすすめです。
最も大切なことは袖の長さよりも「袖にゆとりがあり、たくし上げた時に圧迫しないこと」です。
温度調整のために、すぐ羽織る事ができる上着があると便利です!
健診時のボトムス
- 季節が合えばハーフパンツ
- ワイドパンツ
- 膝丈スカートなど
スカートはロングスカートなど、ボリュームのあるものは避けましょう。
足首にゴムがない、ストレートパンツのジャージも健診には最適です。
ボトムスも全体的にゆとりのあるものを強くおすすめします。
- スニーカーソックス
- クルーソックスなど
- くるぶし丈までがおすすめ
靴下は短いタイプが最適です。
靴もブーツなど脱ぎにくいものは避け、着脱しやすい靴と靴下を選んで下さい。
長くても膝下までの靴下がおすすめです!
その他健診時に気をつけること
- 脱ぎやすい靴
- 湿布やカイロは外す
- アクセサリーや時計も外す
靴を脱いで行う検査もありますので脱ぎやすい靴、中でもスリッポンが最適です。
入院に特化した内容ですが、おすすめのスリッポンは以下の記事で紹介しています。
関連【入院中の靴】スリッパ・クロックスはNG!看護師のおすすめ3選!
湿布やカイロにも注意が必要です。
前日夜に貼った湿布を忘れている方もいます。
ネックレスなど、アクセサリーや時計を着用されている方もいますがおすすめしません。
着替えや小物をかごに入れて移動することも多く、紛失の可能性があります。
盗難防止のためにも、あらかじめ外してお越し下さい。
健診時の服装とまとめ
注意点が多く、困惑されるかもしれません。
しかし検査を受けやすい服装であれば、所要時間も短くなり、なるべく肌を露出しないですみます。
検査を行う側も可能な限り配慮していますが、事前にご自身で準備されていた方が安心できるはずです。
採血や検尿がある方は、健診前の食事と正しい検査の受け方のまとめ記事も参考にして下さい。
詳細【健診と検診のまとめ】健康診断を受ける時に絶対に気をつけること
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
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